研究課題/領域番号 |
20KK0299
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
佐々木 創 中央大学, 経済学部, 教授 (40634100)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 環境サービス / 循環経済 / 非関税障壁 / WTO / APEC / リサイクル / SDGs / リチウムイオン電池 / 国際資源循環 / 直接投資 / 海外展開 / 環境ビジネス / 国際展開 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1)ネガティブリスト方式による環境サービス貿易の4類型化、2)環境ビジネス先進国の実証分析、3)ネガティブリスト方式による環境サービス貿易の妥当性を検証する。以上の3つの経済分析によって、国際的に合意形成可能な環境サービスの定義を構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
環境サービス貿易の参入障壁が高いタイを事例に、外資系企業の参入状況・財務状況・税制優遇の適用状況などをタイ税関・工業省・商務省の一次データを入手し経済分析した。 さらに、これらの結果に基づいて、WTE施設、外資系プラスチックリサイクル施設、業界団体、政府機関、日系企業などを施設見学、意見交換が実施した。廃棄物・リサイクル施設に関しては、回収システムの構築が事業の持続性の担保のカギとなっていることを確認でき、政府機関や業界団体はそれを担保すべくEPR政策の導入を検討したり、分別回収実験を行っており、循環経済の萌芽段階にあるといえ、自動車リサイクル法制度構築支援がJICA等で検討されている。 国際学会(the 11th Asia-Pacific Landfill Symposium)招へい報告ではLIBバッテリーのリサイクルにおいて東南アジアはインドネシアが比較優位にあり、タイは国際資源循環政策を緩和することでが比較優位を保てることについて発表し参加者からは理解を得られた。タイ政府DPIMとはEVバッテリーのリユースの情報交換を実施した。現地視察では、日本が技術提供したリサイクルプラントが奏功し、コンポストの品質が向上していることなどを確認できた。 3/7-9のUNEP国際会議では、アンケート調査からタイにおける廃棄物政策について提言を行い、バンコク都の分別回収実験を設計しているチュラロンコン大学との共同研究について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同研究者の協力によりタイ税関やBOIなどの一次データを入手したものの、サンプル数が少なく、重回帰分析を実施することが困難であることが判明した。 そこで、商務省データと工業省データを組み合わせることで、外資と内資の環境サービス企業の生産性(労働生産性、資本生産性、有形固定資産回転率、労働装備率等)を算出する方法に代替しているところである。 データ分析の変更に伴い、ヒアリング対象や調査項目の変更を実施し、これまでの研究蓄積がある廃棄物・リサイクル産業を先行してヒアリングを実施し、分析手法の精査を実施しているところである。 上記からサンプル数が少ないものの、タイ税関やBOIから入手した一次データをダミー変数として活用できないか検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
商務省データと工業省データを組み合わせることで、外資と内資の環境サービス企業の生産性(労働生産性、資本生産性、有形固定資産回転率、労働装備率等)を算出し、サンプル数が少ないものの、タイ税関やBOIから入手した一次データをダミー変数として活用することで重回帰分析を実施し、基課題で開発した環境物品の最終利用者に着眼することで、環境問題を直接的に改善しているサービス提供者に限定するネガティブリスト方式による環境サービス貿易の妥当性を検証する。 さらに、アンケートやヒアリング調査で検証結果を確認したうえで、ネガティブリストによって環境サービスが確定した場合、どの程度貿易が活性化するかについて重力モデル方程式によって検証する。説明変数として必要となるデータは、基課題の経済分析で利用した世界最大級の財務データベースOrbisに加えて、Environmental Business InternationalやMordor Intelligenceも利用し拡張することで精度を高める。
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