研究課題/領域番号 |
20KK0316
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 建 (アルブレヒト建 / アルブレヒト 建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | デンドリマー / カルバゾール / 有機EL / 電気化学発光セル / 熱活性化遅延蛍光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではイギリス Durham University、ドイツ Technical University of Munich、ポーランド Lodz University of Technologyとの共同研究を通じて新規な高効率熱活性化遅延蛍光デンドリマーの開発、電気化学発光素子への展開、インクジェット印刷による発光素子の作製を行う。
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研究実績の概要 |
本年度はミュンヘン工科大学のRuben Costa教授の研究室へと短期渡航しての打ち合わせを2度、ウッチ工科大学のJacek Ulanski教授の研究室での共同研究と国際会議参加、ダラム大学のAndrew Monkman教授の研究室における共同研究を実施した。それぞれの渡航にあたっては事前に研究内容についてオンラインやメールでのミーティングを実施した。 ミュンヘン工科大学との共同研究は、2022年度末に受理された論文で報告した素子寿命が1000時間を超える電気化学発光セルに使用したデンドリマーについて打ち合わせを行い、構造を変化させた新たなデンドリマーの合成を実施した。今後素子化する予定である。発光ラジカルについても電気化学発光セルへの組み込みを目指した実験を実施したが素子の安定性が低かった。素子構造の最適化を通じて改善が必要である。 ウッチ工科大学では電気化学発光素子のインクジェット印刷を試みた。インクの塗布と素子からの発光の観測には成功したものの膜厚等の制御に向けたさらなる検討が必要であることが明らかとなった。ミュンヘン工科大学とも連携しながら素子の印刷と評価を実施する予定である。 ダラム大学では引き続き発光ラジカルの励起状態ダイナミクスを評価するために過渡吸収測定を実施した。また、ミュンヘン工科大学で作成した電気化学発光セルの発光層と同じ条件で電解質と混合したTADFデンドリマー薄膜について発光ダイナミクス測定を実施した。今後ディスカッションを実施して論文化するとともに新たなTADFデンドリマーの設計にも知見を活かす予定である。 この他に招待講演を含む複数の国際会議へも参加して国際共同研究ネットワークの拡大に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はコロナ禍による渡航の遅れがあり、補助期間を1年間延長する必要が生じた。しかし、昨年度に論文出版した研究を進展させながら国際共同研究ネットワークを構築できている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は短期間の渡航を予定しており、研究を総括して論文出版を進めるとともに構築したネットワークを今後につなげるために国際会議への参加と他研究室への訪問といった活動も実施していく。
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