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MEMS力計測プラットフォームによる単一細胞機械的特性とがん疾病の関係性評価

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0326
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

配分区分基金
審査区分 小区分28050:ナノマイクロシステム関連
研究機関九州工業大学

研究代表者

久米村 百子  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (50533642)

研究期間 (年度) 2021 – 2024
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
キーワードMEMS / 単一細胞 / 機械特性計測 / 細胞マニピュレーション / 遺伝子発現解析
研究開始時の研究の概要

細胞の機械的な特徴とがん疾病の関係を明らかにするため、MEMSを駆使した細胞の機械特性計測と、その後のがん研究・検査に関連する生化学分析を実施する。基課題では、細胞の硬さと硬さに関連する遺伝子発現状態の関連性取得に取り組んでおり、これをがん研究応用へと進める。フランス北部でがん診断/治療技術の研究開発に取り組んでいるがん研究所、がん医療センターの研究者と協力し、機械特性結果と従来法によるがん検査結果との比較、クリニカルサンプルを用いた評価など行い、研究を発展させる。

研究実績の概要

本研究では、細胞の硬さや粘弾性、変形能などの機械的な特徴とがん疾病の関係を明らかにすることを目的とし、フランス、リールのがん研究所ONCOLilleにおいて、電気で駆動する微小な機械、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を利用して、細胞の硬さと、これに関連すると予想される遺伝子の発現状態との関連性取得を行なう。
研究課題(1) クリニカルサンプルを含めたがん細胞と健常細胞の機械特性評価、(2) 従来のがんマーカー検出と機械特性計測によって得られる結果の比較、(3) 抗がん剤の効果計測を実施する。
R5年度は、7月13日-7月25日の期間に相手先ONCOLille研究所にて実験と打ち合わせ等を行なった。
(1)の課題について、ONCOLilleの実験プラットフォームを用いて、MEMSピンセットによる細胞の捕獲、機械特性計測を行なった。遺伝子発現解析の部分は前年度までに実施できておらず、今回、ONCOLilleに所属するフランス国立科学研究センターのSoncin研究員と打ち合わせを行った。相手先で使用している遺伝子発現解析用試薬は九工大で用いているものと異なったが、Fabrice研究員の希望により、本課題ではONCOLilleで使用している試薬を用いることとし、必要な試薬を確認した。また、他の研究課題であるが、Tarhan准教授、Tarhan准教授の研究室に所属する博士課程学生と共同研究の成果論文について議論を行なった。
渡航期間以外に九州工業大学において、MEMSデバイスの作製と、機械特性に関連する可能性のある遺伝子について検討を行なった。また、ONCOLilleでは鏡筒角度を自由に変えられるマイクロスコープを用いて実験を行なっており、同様の製品を九州工業大学において購入し、現在予備実験のために使用している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初設定した3つの研究課題のうち、(1)クリニカルサンプルを含めたがん細胞と健常細胞の機械特性評価については、これまで、ONCOLilleで提供してもらう細胞の状態が良好でなかったこともあり、機械特性計測は実施しているものの、遺伝子発現解析まで至っていない。(3)抗がん剤の効果計測については、臨床サンプルを継続的に培養・観察する必要があるが、細胞の授受のタイミング設定や培養器等の確保が困難となっている。

今後の研究の推進方策

研究遂行に遅れが出ており、各課題に要する時間を考えると3課題の全てを達成することは困難と考え、実施課題を絞り込む。
(1)クリニカルサンプルを含めたがん細胞と健常細胞の機械特性評価については、機械特性計測と遺伝子発現解析のワークフローを実施し、相関評価を行う。(2)従来のがんマーカー検出と機械特性計測によって得られる結果を比較する課題については、がん関連遺伝子をマーカーとし、九工大において実施する。細胞株での評価となってしまうが、機械特性と関連するがん遺伝子の導出を目指す。(3)抗がん剤の効果計測については、前項目で述べたように、ONCOLilleにて実験することが困難であると判断し、実施を断念する。他の(1)(2)の課題を集中して行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] MEMSピンセットによる接着細胞の剥離・把持・回収2023

    • 著者名/発表者名
      岩下誠也, 久米村百子
    • 雑誌名

      電気学会論文誌E「第39回センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム」同時投稿論文

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] MEMSピンセットを用いた遺伝子導入したがん細胞の機械特性と遺伝子発現レベルの相関評価2023

    • 著者名/発表者名
      井上太介, 小林和香子, 久米村百子
    • 学会等名
      第40回「センサ・マイクロマシンと応用」シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Pin型MEMSによる神経細胞の機械特性計測2023

    • 著者名/発表者名
      岩下颯真, 金田祥平, Kudo Lili C, Ma Zhongcai, Karsten Stanislav L, 久米村百子
    • 学会等名
      第40回「センサ・マイクロマシンと応用」シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Measurements of stiffness and deformability of artificial malignant cells by MEMS tweezers2023

    • 著者名/発表者名
      T. Inoue, W. Kobayashi, M. Kumemura
    • 学会等名
      The 11th International Symposium on Applied Engineering and Sciences (SAES2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Gene expression analysis following mechanical characterization of a cell by MEMS tweezers2022

    • 著者名/発表者名
      K. Takamura, M. Kumemura
    • 学会等名
      The 26th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (MicroTAS)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Single cell classification using statistical learning on mechanical properties measured by MEMS tweezers2022

    • 著者名/発表者名
      Bahram Ahmadian, Deborah Mbujamba, Jean-Claude Gerbedoen, Momoko Kumemura, Hiroyuki Fujita, Dominique Collard, Sophie Dabo-Niang, Chann Lagadec, Mehmet C. Tarhan
    • 学会等名
      The 35th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (IEEE MEMS 2022)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Stiffness measurements of suspended/adherent cell with MEMS tweezers2021

    • 著者名/発表者名
      N. Inoue and M. Kumemura
    • 学会等名
      9th International Symposium on Applied Engineering and Sciences (SAES2021)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 細胞の機械特性と細胞骨格タンパク質の遺伝子発現量の相関評価に向けた 単一細胞搬送から解析までの手法検討2021

    • 著者名/発表者名
      高村公平、久米村百子
    • 学会等名
      化学とマイクロ・ナノシステム学会第44回研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-03-19   更新日: 2024-12-25  

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