研究課題/領域番号 |
20KK0353
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
辻村 恭憲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00548935)
|
研究期間 (年度) |
2021 – 2023
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
|
キーワード | 嚥下 / 呼吸 / 孤束核 / 迷走神経 / 喉頭 / 咽頭 / 食道 / 動物 / DiI / モルモット / WGA-HRP / CTB-HRP / 三叉神経 / 侵害刺激 / ラット / 咀嚼 / 咳嗽 / 口腔 |
研究開始時の研究の概要 |
咀嚼と嚥下が円滑に行われるためには,呼吸との協調が必須であり,食物を誤嚥した際には咳嗽により気道が防御される.本国際共同研究では,自由行動下動物の摂食および呼吸に関連する行動学的計測ならびにin vitro摘出標本を用いた神経節細胞外記録を行い,さらにヒトを対象とした咀嚼・嚥下・呼吸の関連を検証する実験を行うことにより,咀嚼・嚥下・呼吸・咳嗽の機能連関および咀嚼・嚥下のメカニズム解明を目的とする.本国際共同研究と基課題の成果から,摂食嚥下障害患者に対する咀嚼タスクの有効性が明らかとなり,将来的に国民のQOL向上に貢献につながると期待できる.
|
研究成果の概要 |
本研究は,高齢化を背景に社会的に注目されている摂食嚥下障害の理解を深めるために,摂食機能と呼吸機能の機能連関と嚥下誘発の神経機構の解明を目的とした.小動物を対象として電気生理学的,神経薬理学的,組織学的実験を行い,嚥下中枢である延髄孤束核内の嚥下誘発部位の同定ならびに嚥下誘発領域である咽頭・喉頭・食道から孤束核内への投射部位の検証を行った.一連の実験から,孤束核の内側亜核,交連亜核,腹外側亜核が咽頭・喉頭・食道からの入力を受け,機械刺激による嚥下誘発に関与していることが示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嚥下は延髄にある嚥下中枢パターン発生器により制御される運動である.これまでに延髄の孤束核が嚥下誘発に関与することは報告されていたが,自然刺激で誘発される嚥下に孤束核内のどの領域が関与しているかは不明であった.本研究から,孤束核の内側亜核,交連亜核,腹外側亜核が機械刺激で誘発される嚥下反射に重要な役割を果たすことがわかった.これら領域を標的とした研究を進めることは,嚥下障害の病態解明や新規治療法の開発へとつながると期待できる.
|