研究課題/領域番号 |
20KK0361
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平田 祐介 東北大学, 薬学研究科, 助教 (10748221)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | トランス脂肪酸 / 細胞老化 / 炎症 / 細胞死 / フェロトーシス / 機械刺激受容体 / 酸化ストレス / 脂質酸化 / メカノセンシング / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
トランス脂肪酸による細胞死・老化促進作用の最上流で機能する「外来性」トランス脂肪酸の直接的な作用点(ターゲット分子)の同定、「内在性」トランス脂肪酸による新規プログラム細胞死フェロトーシスの抑制機構の解析、および脂質酸化依存的な新規プログラム細胞死フェロトーシスに関与する炎症誘導シグナルの制御機構の解析により、生体膜脂肪酸鎖の多様性が規定する細胞死・炎症シグナルの制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
カナダ・トロント大学生化学部門(トロント小児病院)のSergio Grinstein教授およびSpencer A. Freeman助教との共同研究を実施し、基課題において未解明であった、炎症誘導シグナルの最上流で機能するトランス脂肪酸の直接的な作用点として、IL-1受容体を同定した。また、トランスアラキドン酸のフェロトーシス抑制作用の作用点として、主に細胞膜上で活性酸素産生を担うNADPHオキシダーゼを見出した。発展課題では、膜リン脂質酸化(フェロトーシス)の新規ターゲット分子として、機械刺激受容体Piezo1およびTRPチャネル分子を同定し、フェロトーシス実行における重要性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランス脂肪酸は、疫学研究などから、循環器系疾患をはじめとした諸疾患のリスクファクターとされてきたが、分子・細胞レベルでの知見に乏しく、疾患発症機序についてはほとんど不明である。本研究成果により、トランス脂肪酸の生体膜上の直接的な作用点が明らかとなり、その全容解明に繋がる重要な成果となった。また、フェロトーシスについても、神経変性疾患などの様々な疾患増悪に寄与することが知られている一方で、脂質過酸化に伴って細胞死が起きるメカニズムは現在も全く不明である。本研究成果により、その実行因子として、Piezo1、TRPチャネルが新たに同定され、関連疾患の発症機序の一端が解明できた。
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