研究分担者 |
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70158608)
栗原 清二 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50225265)
塩野 毅 広島大学, 工学研究科, 教授 (10170846)
川月 喜弘 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (60271201)
金澤 昭彦 東京都市大学, 工学部, 教授 (80272714)
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配分額 *注記 |
106,210千円 (直接経費: 81,700千円、間接経費: 24,510千円)
2010年度: 49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2009年度: 56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
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研究概要 |
本研究課題では,液晶の分子構造,相状態,分子配向や高分子の架橋密度など種々の項目を検討し最適化するとともに,電子線架橋,光架橋,精密重合などの手法を駆使し様々な基材フィルムとの強固な異種界面接合を形成することにより,高性能光運動材料の構築を目的としている。 本年度は,高性能高分子光運動材料の構築において必要不可欠である駆動原理探求を目的として,種々の架橋液晶高分子を合成するとともに,分光法および力学物性評価法を用いて,分子レベルから巨視的レベルまでメカニズムを検討した。架橋液晶高分子におけるアゾベンゼンの影響を結合位置および濃度について詳細に調べたところ,架橋部位にアゾベンゼンを20%程度含む場合に最も高い発生応力を得られることが明らかとなった。光運動挙動は,分子構造,分子の初期配向,異性化挙動,温度,光強度,光照射時間などに大きく依存し,アゾベンゼンの光異性化を分子配向変化へ増幅するプロセスが極めて重要であることがわかった。 材料形状の変化についても検討を行った。より自由度の高い光運動材料を目指して繊維状の架橋液晶高分子を作製し光照射を行ったところ,照射方向に応じて三次元的な光運動を誘起できた。一方,アゾベンゼン液晶高分子とPVAを交互にスピン塗布した膜を作製したところ,従来と異なる光屈伸挙動を観察できた。 新たな基材の開発および異種界面接合の形成についても検討を進めた。塩化コバルトを有機アルミニウムで活性化した触媒系を用いて少量のホスフィン共存下ブタジエンの重合を行うことにより,結晶性のシンジオタクチック1,2-連鎖と非晶性のシス1,4-連鎖からなるマルチブロック共重合体の合成に成功した。
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