研究課題/領域番号 |
21242003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤岡 穣 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70314341)
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連携研究者 |
淺湫 毅 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 保存修理指導室長 (10249914)
稲本 泰生 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70252509)
加島 勝 大正大学, 文学部, 教授 (80214295)
高妻 洋成 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室長 (80234699)
高橋 照彦 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (10249906)
村上 隆 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 副部長 (00192774)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
33,540千円 (直接経費: 25,800千円、間接経費: 7,740千円)
2012年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2011年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2010年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2009年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 美術史 / 半跏思惟像 / 金銅仏 / 東アジア / 野中寺弥勒菩薩像 / 蛍光X線分析 / 三元系図 / 3次元計測 / 鋳造技法 / 国際研究者交流 / 金華万仏塔 / オケオ遺跡 / X線透過撮影 / 蛍光X線 / 関山神社 / 観松院 / 大日坊 |
研究概要 |
国内の彫刻史、金工史、考古学、保存科学の研究者との連携、協力に加え、韓国国立博物館の研究グループとの共同研究という研究体制のもと、日本、韓国、中国、ベトナム、欧米等において、 半跏思惟像および関連の金銅仏について、 蛍光X線分析 100 余件、3 次元計測 11 件 、X線透過撮影 7 件の調査を実施した。その結果、青銅の成分については、日本製の金銅仏は止利派の作例を除けば多くは自然銅に僅かに錫を混ぜた青銅を用いており、南朝作例では錫分が特に多く、百済製とみられる作例でも錫分が多い傾向をしめすこと、華北の作例では錫と鉛が同程度に含まれるとの暫定的な見解を得ることができた。また、技法面では、従来、鬆(青銅の凝固時に内部に残る気泡)が多いのは韓半島もしくは中国製とみられていたが、鬆の多寡は必ずしも製作地に関わらないこと、韓半島や中国の作例では細部の造形も基本的には鋳型の段階で表現しているのに対して、日本の作例では鏨の使用が多いことなどが明らかになった。一方、 2009 年に南京において初めて南朝・梁代の金銅仏が出土し、 2010 年にはカンボジア南部で 2006 年に出土した梁代とみられる金銅仏が紹介されたが、その一部は山東や韓半島出土ないし伝来の金銅仏に近似しており、従来、文献から指摘されていた南朝と百済との交流、さらには山東を含む 3 地域間の交流が実作例によって裏付けられた。以上の科学的調査、南朝製金銅仏の発見等の結果、日本や韓国に伝来する金銅仏については製作地を再検討する必要があること、半跏思惟像についても南朝を含めた伝播のあり方を検討する必要があることが明らかとなった。
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