研究課題/領域番号 |
21244057
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70251486)
|
研究分担者 |
本多 謙介 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60334314)
柴山 義行 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (20327688)
|
研究期間 (年度) |
2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2009年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
|
キーワード | 量子臨界現象 / 超流動 / ヘリウム / ジョセフソン効果 / ナノポア / 量子相転移 / 強相関 / 超流動固体 |
研究概要 |
本研究は、ヘリウム(4He)をナノメートルサイズの空間に閉じこめることで生まれる新しい量子臨界現象を系統的に明らかにすると共に、その超流動性を自在に制御する方法を確立して、新しい超流動ジョセフソン素子の開発につなげるものである。科研費の交付を受けた研究期間で、以下の研究を行った。 細孔径25Aのナノ多孔質ガラス内壁に吸着した4He超薄膜に対してねじれ振り子の実験を行い、本来4He原子が局在して超流動が観測されないと考えられていた極めて低い吸着量領域でも、超流動的な振る舞いが観測されることを発見した。この超流動的挙動はある温度を境に低温での回転慣性モーメントの緩やかな減少とエネルギー散逸の極大で特徴付けられ、散逸が極大を示す温度は吸着量を増やすと共に低下する。この低下の傾向は通常の液体4He薄膜が示す超流動のそれと全く逆であり、粒子相関が強く効いていることを示している。非常に興味深い現象であり、真の超流動か否かを含めてその機構解明が待たれる。 また、ジョセフソン素子の開発に向けた準備として、ポーラスアルミナのナノポアアレイをヘリウム流路に挿入したねじれ振り子を製作し、動作確認を行った。これは超伝導体のSQUID(量子干渉素子)と同等の構造を持ち、将来開発を予定している超流動SQUIDの原型となるものである。
|