研究概要 |
阪神淡路大震災以降,強震動観測網の充実等,集中的な地震研究投資が奏功して,特に我が国沿岸域における地震危険度評価は以前に比べ格段に精密を極めてきた.しかし,これに応えるべき対地震の地盤工学は,地震学のこの急速な進歩に十分追いついてはいない.だから,海溝型巨大地震の特性も視野に入れた,粘土や砂の互層からなる自然堆積地盤とその上の中間土からなる人工島・盛土など,地盤と(土)構造物システムの地震中・地震後の全面的な地震応答解析と,これを受けた地盤強化技術は,まだむしろこれからの課題と言ってもよいのではないか.本研究課題の目的は,自然堆積粘土~砂互層地盤,および中間土からなる人工島の精密な弾塑性プロファイルの記述を基礎に,来るべき海溝型の数秒から数分までの地震中,およびその後の数日から数十年までの地震後の耐震性を,新技術を駆使して評価し,強化必要箇所を抽出および各種地盤強化技術の効果の検証をすることである. 申請者らは,上記研究目的達成のために,粘土や砂の互層からなる自然堆積地盤とその上の中間土からなる埋立土・盛土の人工地盤など,地盤と(土)構造物システム連成系の精密な弾塑性プロファイルの同定およびその地震前~地震中~地震後挙動の算出方法を検討した.
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