研究課題
基盤研究(B)
この研究は、ハイビジョン映像の約4倍の情報密度をもつ4K実写映像を呈示映像試料とし、脳波特定帯域から推計する基幹脳活性化分析、脳イメージング、各種生理活性物質計測などの生理心理指標を多元的に用いて、高精細映像とりわけ4K映像の視聴効果を定量的に明らかにすることを目的としている。研究2年次にあたる平成22年度は、昨年度に開発した生理評価用4K映像をもちいて、超高精細画像が人間に及ぼす影響を評価するうえで実績のある脳波α2ポテンシャルの変化を指標として、生理的予備実験を行った。脳波計測には、視聴者の拘束感を低減させて映像鑑賞のさまたげになりにくいテレメトリ脳波計測分析装置をもちい、映像呈示箇所の選択、呈示時間長の設定、映像の呈示環境の構築、実験プロトコルを検討した。また、知覚限界をこえる超高精細映像が人間に及ぼす効果をとらえるためには、感性脳機能を支える神経回路の活性状態を客観的にモニターする必要がある。そのために、空間解像度にすぐれた脳機能イメージング手法として国内最高水準の磁気共鳴機能画像撮像装置(fMRI)を有する国立精神・神経医療研究センター神経研究所において、試行実験を行った。これによって、画像密度に対応して活性が変化する脳内部位の検討のための各種の実験条件の設定を行った。さらに、心理学的評価手法として実績のあるシェッフェの一対比較法を応用し、調査用の質問紙を設計し、その妥当性を確認した。
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