配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2012年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2011年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2010年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2009年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
研究概要 |
本糖尿病マウスは、非肥満性で常染色体性優性遺伝を示す自然発症の新規疾患モデルマウスである。ヘテロ接合体は2型糖尿病モデルとなるが、ホモ接合体は重篤な高血糖により生後4日で死に至る新生児糖尿病モデルとなることがわかった。 発端の変異マウスがNC/JicとKOR1との2近交系マウスのF2個体に発見されたので、遺伝的背景を均一にする目的と、従来から糖尿病は多因子疾患であり解析が困難であるとされていたので、糖尿病発症に関与する修飾遺伝子を明らかにするモデルの樹立を行なった。 方法は交配実験により、変異遺伝子を遺伝的背景の異なる10系統の近交系に導入したコンジェニック糖尿病モデル、4系統のアポE欠損高脂血症マウス(SHL)に導入した高脂血症併発糖尿病モデルの樹立を目指した。コンジェニック系の完成はN12世代以上であるが、現状では、 コンジェニック糖尿病モデルは、AKR, BALB/c, C3H/He, C57BL/6, DBA/2, JF1, NC/JicおよびNC/Ngaの8系統が完成し、高脂血症併発糖尿病モデルはB6.SHL, C.SHL, C3.SHL およびD2.SHLの4系統が完成している。しかし、A/JおよびKOR1の2系統はいずれもN6世代でありコンジェニック化を進めている。 これらのコンジェニック糖尿病モデルは、各系統間で尿糖の出現週齢、血糖値の高低、発症の性差など、種々の表現型に著明な差異が認められ、個別医療に対応した新規モデルとしても有用である。また、これまでに糖尿病性腎症モデル樹立の報告は少なく、研究者から渇望されていたが、C57BL/6コンジェニック系は腎臓の病理学的所見から、糖尿病性腎症の新規モデルである可能性が示唆された。 原因遺伝子のポジショナルクローニングは、マウス第8染色体のセントロメア近傍に候補領域を絞り込み、DNAシークエンスを行っている。その詳細は論文投稿前なので差し控える。
|