研究課題/領域番号 |
21320026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾崎 彰宏 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80160844)
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研究分担者 |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 研究員 (00150045)
元木 幸一 山形大学, 人文学部, 教授 (10125669)
森 雅彦 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (90137612)
芳賀 京子 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80421840)
深谷 訓子 尾道市立大学, 芸術文化学部, 准教授 (30433379)
廣川 暁生 國學院大學, 文学部, 講師 (20534887)
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連携研究者 |
松井 美智子 東北学院大学, 教養学部, 教授 (40142898)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2012年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2011年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2010年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2009年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | マンデル / 『絵画の書』 / 『北方画家列伝』 / ヴァザーリ / ネーデルラント / 美術理 論 / カーレル・ファン・マンデル / 「北方画家列伝」 / レンブラント / ディゼーニョ / ドルチェ / 線描芸術 / 聖と俗 / イタリア / ドイツ / スペイン / 絵画の書 / 北方画列伝 |
研究概要 |
最大の研究成果は、「カーレル・ファン・マンデル「北方画家列伝」註解」が完成し、出版の準備を整える事ができたことである。この翻訳研究の過程で、以下の点が明らかになった。(1)マンデルは『絵画の書』において、inventie(着想/創意)、teyckenconst(線描芸術)、welverwen(彩色)という鍵となる概念を用いて、15、16世紀ネーデルラント絵画史を記述したこと。(2)マンデルは、自律的に『絵画の書』を執筆したのではなく、とくにヴァザーリの『芸術家列伝』に対抗する形で、ヴェネツィアの絵画論、とりわけロドヴィコ・ドルチェの『アレティーノ』で論じられている色彩論を援用した。つまり、マンデルのteckenconstは、ヴァザーリのdesegnoを強く意識しながらも、マンデルは本質と属性の関係を逆転した。ヴェネツィアにおける色彩の優位という考えとディゼーニョを一体化させることで、絵画とは、素描と色彩が不即不離の形で結びついたものであり、絵画として人の目をひきつけるには、属性として軽視された色彩こそが重要なファクターであるという絵画論を打ち立てた。(3)この絵画とは自律的な存在ではなく、鑑賞者の存在を重視する絵画観である。つまりよき理解者、コレクターが存在することで、絵画の意味はその「あいだ」に生まれるという絵画観が表明されている。このように本研究では、マンデルの歴史観が明らかになり、ネーデルラント美術研究のための新たなる地平を開くことができた。
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