研究課題/領域番号 |
21340058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 (2010-2011) 大阪大学 (2009) |
研究代表者 |
永井 泰樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究員 (80028240)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2011年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2010年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2009年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
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キーワード | 恒星内元素合成 / 中性子捕獲反応 / パルス中性子 / 核破砕反応 / s-過程元素合成 / r-過程元素合成 / LaBr検出器 / 即発ガンマ線 |
研究概要 |
目的 本研究では、最近、オランダで開発された高性能のBrilLanCe(LaBr_3)を用いた高感度γ線検出器系を製作する事、「すばる望遠鏡」等で観測され大きな問題となっている金属欠乏星内での重元素合成に関わる鉛核等の中性子捕獲反応断面積を測定する事、そして恒星内の重元素合成模型構築に寄与する事を目的とする。 研究成果 製作した原子核による中性子捕獲反応からの即発γ線を測定する反同時計測型BrilLanCe(LaBr)検出器の性能試験を行った。先ず、東京工大のペレトロン加速器で7Li(p,gamma)8Be反応で生成される最大エネルギーが約17MeVのガンマ線を検出してこの検出器系の時間分解能を測定した。その結果、約2.5ナノ秒と極めて高い時間分解能を得た。これは、従来我々が使用してきたNaI(T1)検出器の3.5ナノ秒を上まわるものであった。又、製作した遮蔽体は、上記ガンマ線を効果的に減衰できている事が分かった。そのため、今後、keV中性子を用いた実験で、中性子エネルギーが高精度で決められる事になり、実験感度が向上すると期待できる。尚、従来は、17MeVガンマ線を減衰させるためにシャドーバーと呼ばれる鉛遮蔽をセットする必要があったが、本装置ではそれが不要であった。次いで、上記加速器で7Li(p,n7Be反応で生成したkeV中性子を用いて、試料位置に試料をセットしないで、LaBr_3検出器系の中性子遮蔽能力を調べるためバックグランドの測定を行った。何度も試行錯誤をした結果、製作した遮蔽体に更にボロン入りポリエチレンを追加した結果、バックグランドを激減できた。そこで、研究目的の鉛-204のkeV中性子捕獲断面積を測定を行った。その断面積の絶対値は、既にその断面積が精度良く測定されている197Au(n,gamma)198Au反応を用い、相対測定で決定した。実験は、成功し204Pb(n,gamma)205Pb反応からの即発不連続ガンマ線を世界で初めて測定できた。得られた結果の解析を行っている。
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