研究課題
基盤研究(B)
最近提案されたフォトニック・アモルファス・ダイヤモンド(PAD)とよばれる新しいタイプのフォトニック構造におけるフォトニックバンドギャップ(PBG)形成と光伝播特性を調べた。まずPADが格子周期性を全くもたないにもかかわらず3次元(3D) PBGを形成することを実験的に証明した。また、この3D-PBGが中に局在状態などを含まない完全なものであることを示した。そのような完全な3D-PBGが形成することは、PAD内に強く光を閉じ込めることができることを示している。このことは実際に数値計算により示された。PADにおける3D-PBGは光の波数ベクトル、偏光ベクトルの方向に依存せず等方的である。これは通常のフォトニック結晶では実現不可能である。パスバンドにおいては、PADは拡散伝播を示す。ここで散乱強度は周波数がバンド端に近づくにつれて顕著に大きくなる。バンド端では散乱強度が十分強く、光局在が実現する。以上の結果は、フォトニック物質におけるPBG形成の物理的起源、光拡散、光局在などの問題に新たな知見を与えるものである。
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