研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、研究代表者が最近進めてきた独創的な新しいモード同期法により、超高性能な光ファイバレーザを実現し、さらにその応用を図るものである。ここでの新しいモード同期法とは、カーボンナノチューブ可飽和吸収素子による受動モード同期による短パルス発生、および共振器内の分散を利用した分散チューニング法による超高速・広帯域波長可変光発生、である。これまでカーボンナノチューブ(CNT)の超高速光学非線形応答を光ファイバレーザ用のモード同期素子として利用してきたが、最近、グラフェンも同様の超高速光学非線形応答を持つことが見出された。グラフェンはCNTと比較すると、波長無依存な可飽和吸収特性を持つという特長がある。本研究では、グラフェンとCNTのモード同期素子としての比較を世界で初めて行い、ほぼ同様の特性が得られることを示した。また、長さ5mmで繰り返し周波数20GHzの世界最速の光ファイバモード同期光ファイバレーザを実現した。それを高非線形光ファイバ(HNLF)に入力することにより、300nm以上の広帯域なスーパーコンティニウム(SC)光発生にも成功した。分散チューニングによる超高速・超広帯域波長可変モード同期光ファイバレーザについては、分散媒質としてこれまでは分散補償ファイバ(DCF)を用いていたため共振器長が100m以上になり掃引速度制限要因となっていたが、今年度はその代わりに広帯域チャープ光ファイバグレーティング(CFBG)を用いることにより共振器長を10m以下にしたレーザを試作した。その結果、500kHz以上での超高速波長掃引が可能となった。これは単一の波長掃引光源の速度としては世界記録である。また、これらの波長可変モード同期光ファイバレーザを光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムの光源として用い、断層画像を得ることにも初めて成功した。
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