研究課題
基盤研究(B)
これまでMo過剰なMo-Si-B合金では、1600℃における三元系状態図がいくつか提案されているが、本合金の用途などから、より高温の状態図が求められていた。そこで本研究では、1800℃におけるMo過剰側の三元状態図を実験的に定めると共に、凝固組織から熱処理組織への組織の発達について詳細を検討し、本合金に対する組織制御の指針を得ることができた。一方、このMo-Si-B合金にReおよびTiCを添加し、Mo-Re-Si-B四元系およびMo-Si-B-TiC五元系合金の1800℃における状態図の検討を行った。Mo-Re-Si-B合金では、Re添加によってMo固溶体の体積率が増加し、逆にMo_3Si金属間化合物の体積率が減少すること、ReはMo固溶体中に優先的に固溶すること、Reの添加量が10at%を超えた辺りからMo-Re金属間化合物であるσ相が生成することなどを明らかにした。また、Reを添加することでMo固溶体中のSi濃度も上昇し、このSi量の増加によってMo固溶体は顕著に硬化し、その硬化率がLabusch限界に従うことなどを示すことができた。Mo-Si-B-TiC合金では、TiCが安定相として分離するため、Mo固溶体、Mo_3Si金属間化合物、Mo_5SiB_2ボライド、TiCカーバイドの四相合金となることを、世界で初めて見いだした。また、TiCの添加量を適正化することによって、微細でかつMo固溶体が母相となりうる組成が存在することを発見した。これによって、今後、Mo-Si-B基合金の合金開発と組織制御が大きく前進することが期待される。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)
Materials Transactions
巻: 51 ページ: 1699-1704
10026600350
日本学術振興会耐熱金属材料第123委員会研究報告
巻: 51 ページ: 245-252
Proceedings of Processing and Fabrication of Advanced Materials XVIII 2
ページ: 937-946
日本学術振興会耐熱金属材料第123委員会研究報告 50
ページ: 243-254
ページ: 315-324