研究課題/領域番号 |
21380061
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中山 二郎 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40217930)
|
研究分担者 |
永田 宏次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30280788)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2011年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2010年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2009年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 微生物制御学 / クオラムセンシング / 腸球菌 / ブドウ球菌 / アンタゴニスト / ペプチド合成 / 放線菌二次代謝産物 / 眼内炎 / クォーラムセンシング / ペプチドアンタゴニスト / クォルモン / ゼラチナーゼ / 抗感染症剤 / リバースアラニンスキャン / ポスト抗生物質 |
研究概要 |
多くのグラム陽性病原細菌は、環状ペプチドを自己誘導因子(クォルモン)とするクオラムセンシング(QS)により、病原因子の発現を巧みにコントロールして宿主の感染を効率よく成立させている。本研究ではQS阻害剤を、天然物のスクリーニングおよびペプチドデザイン合成の2つのアプローチを組み合わせた戦略で分子創製し、グラム陽性病原細菌の病原性発現を効率的に抑制する新しいタイプの抗感染症剤を創出することを目的としている。天然物のスクリーニング研究においては、まず、ブドウ球菌のagrクオラムセンシング系をモニターするアッセイ系と腸球菌のfsrクオラムセンシング系をモニターするアッセイ系を併用したハイスループットスクリーニング系を構築し、約1000の放線菌およびカビの祖抽出物をスクリーニングし、計3株の祖抽出物が有効的に両菌のクオラムセンシングを阻害することを見出した。ペプチドデザイン合成においては、独自のリバースアラニンスキャン法という独自のペプチドアンタゴニストの分子デザイン法により、100 nMで腸球菌のクオラムセンシングを遮断するZBzl-YAA5911を得ることに成功した。ZBzl-YAA5911は、ウサギ眼内炎モデル実験において、腸球菌の硝子体から水晶体への移行を有意に阻害し、in vivoにおける有効性が実証された。ZBzl-YAA5911は病原菌の増殖には影響を与えず、その病原因子の発現のみを抑制する抗生物質とはことなる作用機作を有し、新しいタイプの抗感染症化学療法への応用が期待される。
|