研究課題
基盤研究(B)
本研究では、独自に開発した2型糖尿病マウスである SMXA-5 系統を用いて、このマウスが保有する第2番染色体に存在する高脂肪食誘発性糖尿病の原因遺伝子を同定することを目的とした。この第2番染色体上の糖尿病遺伝子 (T2dm2sa)を保有する染色体断片を正常マウス(SM/J 系統)に組み込んだ糖尿病コンジェニック系統を作出して、この遺伝子の糖尿病発症作用を確認しながら、糖尿病遺伝子の存在する領域を狭めていった。そして、その狭められた領域内に存在する遺伝子の中から、候補遺伝子の選抜を進めた。実際には、マウス・ゲノム・データベースを活用して、限局した第2番染色体の 5Mb 領域内に存在する遺伝子から糖尿病に関与する可能性がある遺伝子群を抽出した。それらの遺伝子について SMXA-5 と SM/J マウスの塩基配列を比較し、翻訳領域の塩基配列において両系統間でアミノ酸置換が起こる変異のある遺伝子を選抜した。この結果、 Rapgef4 (Rap guanine nucleotide exchange factor4)を候補遺伝子として選抜した。糖尿病コンジェニック系統と SM/J 系統で各組織での Rapgef4 mRNA レベルを測定した結果、両系統間でレベルに差は見られなかった。よって、Rapgef4 の両系統間での変異がこの遺伝子の機能に変化をもたらし、糖尿病発症作用を発現していることの証明を進めることを計画している。
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