研究課題
基盤研究(B)
ボツリヌス神経毒素は、腸管上皮バリアを通過して血中に移行することによって、ボツリヌス食中毒を発症させる。巨大タンパク質分子である本毒素がこのバリアを通過する機構は不明な点が多い。最近申請者らは、毒素に結合しているHA (Hemagglutinin)が腸管上皮細胞バリアを突破する新規機能を持つことを発見した。その1つにtranscytosisを促進する機能がある。本年度は、HAによるtranscytosis経路(細胞側)の解析を中心に行った。[HAが結合する腸管上皮アピカル側の分子の探索]前年度までの解析を含めて、HAはin situマウス結紮腸管およびin vitro培養細胞(Caco-2)で、transcytosisを引き起こすことが、コンフォーカル顕微鏡を用いたイメージング解析で明らかになってきた。今年度は、腸管上皮アピカル側膜上に存在し、HAが結合することにより、transcytosisを引き起こす分子の探索を行った。その結果、pull down法により、HAと結合するいくつかの膜タンパク質が得られた。そこで、それらについて、HA側の結合ドメインの解析を進めている。また、それらのタンパク質のノックアウトマウスを用いたHAおよびHA含有毒素複合体の腸管吸収の解析を進めている。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件)
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