配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2011年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2010年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2009年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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研究概要 |
我々は、これまでにメタボリックシンドロームの中心病態である内臓脂肪型肥満症や発症やその進展を規定する病態などで脂肪組織におけるANGPTL2の発現が著明に誘導され、その結果、過剰なANGPTL2作用が全身性のインスリン抵抗性や糖尿病の発症の誘因となっていることを明らかにしている。メタボリックシンドロームは、動脈硬化性疾患の発症や進展のリスクを増大させる危険性を有している。冠動脈疾患患者における血中Angptl2レベルは健常者に比べ高く、なかでも多枝病変の患者において高値を示した。さらに、Angptl2が血管の炎症を促進すること、炎症による血管傷害が動脈硬化症の初期病変であることから、肥満の脂肪組織に由来するAngptl2が動脈硬化症の発症や進展に直接的に関与している可能性が考えられる。また、肥満の脂肪組織におけるAngptl2の持続的高発現だけでなく,血管内皮細胞における局所的なAngptl2の持続的高発現が動脈硬化性疾患の発症や進展に直接関与している可能性を見出した。また我々は、マウス大動脈瘤病態モデルやカフ負荷による血管内膜肥厚病態モデルを作製し解析を行ったところ、動脈病変部位にAngptl2の発現が強く誘導されていること、野生型マウスに比べてAngptl2ノックアウトマウスにおける大動脈瘤や内膜肥厚の程度が抑制されることを見出した。これは,血管における局所的なAngptl2発現誘導が大動脈瘤や内膜肥厚の病態形成および進展に寄与していることを示唆しており、Angptl2がこれらの病態の治療標的になる可能性が示された。
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