研究概要 |
本研究では水産物の流通における品質管理に役立てることを目的として,魚市場の競り人による鮮魚の外観評価ついてモデル化を試みた。試料魚には熟達した競り人により5段階に外観評価された3種類の彩度の低い魚種(体表の平均彩度C ab<7.0)を用いた。競り人による外観評価,魚体体表の色彩および魚肉鮮度の関係について統計解析を行った結果,競り人の彩度の低い魚種に対する評価には魚体体央の色彩等が共通して反映すること,またそれらの色彩は魚肉鮮度とも関連することが明らかとなった。これらの色彩を説明変量に用いた統計モデルにとファジィモデルよる品質推定は,競り人の外観評価と70%以上が一致する結果を得た。このことにより,競り人の知識を水産物の品質評価システムの設計に活かす手法の有用性が確認された。
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