研究概要 |
小学生から高校生までに使用可能な,死の認識の発達を調べるための心理テスト「死の認識尺度」を開発し,全国から複数の学校を選び調査を実施した. その結果,従来から知られていた死の認識(科学的な認識としての「死の不動性」「死の不可避性」「死の不可逆性」)以外に,「死の物語性」(「生まれ変わる」「魂は死なない」「心の中に生きている」など)という概念を分別し明確化することができた.それにより,近年議論されてきた「死の不可逆性の揺らぎ」,つまり死んでも生き返ると考える児童・生徒の存在の問題に,一石を投ずる材料を手にすることができた.言いかえれば,死んでも生き返るという考え方の中に,「死の物語性」が混在していた可能性があるということである.
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