研究課題/領域番号 |
21530133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
福田 耕治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20165286)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EU / 雇用政策 / 年金制度 / 高齢社会 / リスク管理 / 人口動態 / リスボン戦略 / 医療費 / 人口動熊 / EU高齢社会 / CSR |
研究概要 |
本研究では、EUの持続可能な経済発展と高齢社会戦略について明らかにした。EU/加盟諸国では2000年代に入り高齢社会化が進行し、年金改革が最重要懸案のひとつとなっている。欧州諸国(旧EU15加盟国平均)では、総人口に占める65歳以上の占める割合(高齢化率)が29.8%となり、日本を上回る「超高齢社会」となった。世界経済・金融危機の欧州諸国への影響、ギリシャからアイルランド、ポルトガルへと欧州債務危機が波及することにより、EUやユーロに対する懸念がさらに強まり、高齢社会問題をさらに深刻化させた。しかし債務危機の結果、EU諸国は年金財政の持続可能性の維持が困難となりつつある状況を認識し、結果的に各国とも似通った「年金政策レジューム」を形成する方向に向かっている。本研究の特色は、こうした年金に関わる政策レジームを制度設計し、下支えをしてきたと考えられるEUにおける高齢社会戦略やOMCによる各国年金政策調整のためのガバナンスの仕組みに着目し、それらが形成された背景と具体的な調整メカニズムを明らかにし、その可能性や限界、課題について検討したことにある。リスボン戦略からリスボン条約に至るEUの持続可能な経済発展戦略のプロセスを分析し、高齢者の社会的包摂をめぐる「開放型政策調整方式」(Open Method ofCoordination : OMC)による年金政策レジーム形成の背景を明確化した。リスボン条約に至る欧州ガバナンスの改革では、グローバル化とともに急速に高齢化する欧州の人口動態的変化への対応として、年金の財政的持続可能性と社会的妥当性を担保するEUの高齢社会戦略の制度設計はいかなるものであったのか分析した。また加盟国間における年金政策調整の特質と課題について考察し、EU高齢社会戦略の特質と課題を析出し、考察した。 少子高齢社会において、社会保障、医療保障、年金の社会的、財政的持続可能性を保証するために、金融制度、財政危機対策の出口戦略、景気回復および経済成長は不可欠であり、社会の安定性を確保する上で必須である。各国財政の健全化と成長の回復は、緊縮財政の強化と消費税の増税だけでは達成することができない。連続的な経済成長に寄与する教育、研究開発への財政支出に、より高い優先順位を与える政策を考慮することが必要である。公会計の健全性の確保が各加盟国レベルで達成されることなしには、高齢社会の持続可能性を確立することができない。これらの観点は、わが国の高齢社会戦略や社会保障改革、年金制度改革にとっても大きな示唆を与えるものといえる。
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