研究概要 |
2部門の成長モデルを用いて労働所得税と資本所得税の存在が内生的な経済変動の発生確率にどのような影響をもたらすか理論的に考察した.得られた結論は労働所得税と違い資本所得税は経済の不安定性を助長する性質をもつことを明らかにした. また,金融市場の発展と貧困の罠に経済が陥る可能性の関係を2期間の世代重複モデルを用いて分析した.成長モデルにおいて高位,中位,低位の定常均衡が存在し,資本市場の不完全性の度合いが大きくなるほど貧困の罠に相当する低位の均衡に経済が追いやられてしまう可能性が非常に高くなることを証明した.
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