1920年代半ばにドイツでR.ヒルファディング(1877年-1941年)は、1925/26年恐慌時に、産業部門間の不均衡や技術的後進性など原因を分析し、財政通貨状況を考慮しつつ、金融緩和や公共事業など景気雇用政策を積極的に提起した。また彼は内政では、産業構造の変化に伴う企業家の協調的態度や、他党派の動向等も見すえながら、連立協議に尽力し、「社会的共和国」の理念と、組織された資本主義の民主的変革を説いた。同時に彼は経済調査のために、アンケート委員会の設置運営と聴取に中心的に参画し、企業経営の公開性やカルテルなど産業組織の利点と問題点、中央銀行による景気調整など重要な論点を提示し、総じて新たな注目すべき思想展開を示した。
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