研究概要 |
本研究は,ひったくりをはじめとする街頭犯罪について,加害者,被害者,防犯主体という三者のステーク・ホルダー(利害関係者)にアプローチし,予防に向けた介入プログラムの研究開発と実践を目的とする。 犯罪心理学におけるこれまでの研究の多くは,(1)犯行現場の物理的側面から改善策を模索する,工学的アプローチ,(2)被害者になりうる人々の意識的側面に焦点を当てた,社会心理学的アプローチ,(3)加害者の人格・行動特性などを明らかにする臨床的アプローチ,の三つに分類できる。いずれも研究目的はもちろん研究方法,分析対象とするデータ,現場介入への度合いが異なっており,個別的・専門的に研究が進められている。しかしある事件が発生するときには,それぞれの要因が複雑に絡み合っており,一側面へのアプローチでは,現象に対する十分な理解ができるとは言い難い。そこで本研究では,この三つの側面それぞれについて多角的にアプローチすることによってより深い理解を得,より効率的な介入プログラムを作成,実践的に応用して効果測定を行うことを目指す。
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