研究課題
基盤研究(C)
日本の社会学的トラッキング研究においては、高校入学時点で顕著な振り分けが行なわれる日本的教育制度の特徴を背景として、高校間格差を扱ったマクロ的な(量的)研究の蓄積が豊富である。一方、アメリカを中心とした国際的な議論の中では、むしろよりミクロなレベルにおける教授法や選抜プロセス、学習等の教育実践に近い関心から、日本においては軽視されがちな、人種・民族的マイノリティに代表されるマイノリティ(学業不振がそこの絡む)の権利を視野に入れた機会均等、社会的公正の問題としてトラッキングは社会問題化してきた。本研究においては、こうした認識から、学校内のミクロなプロセスに注目し、マイノリティ(人種、民族、階層等)への視点、文化的多様性への視点を組み込みながら、日本版のトラッキングについて学校観察、インタビュー等のフィールドワークによって考察した。そして、従来、脱トラッキングにおいて国際的に注目されてきた協同的な学びについても、日本型の学校システムに組み込まれている全人格的な人間形成教育とのつながりを分析した。
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