研究概要 |
当該年度を通じてタイヒミュラー空間の幾何学について研究した.特に,極値的長さの幾何学に交点数関数導入しそれが自然に境界内の測度付き葉層構造の上の交点数関数に拡張されることを示した.このことを応用して,Royden, Earle, Kra, Markovic,Ivanovらによる定理「例外的な場合を除き,タイヒミュラー空間の等長写像群の作用が写像類群の作用と一致する」の別証明を与えた.さらにタイヒミュラー空間がグロモフの意味で双曲的でないというMasurの定理の簡単な別証明も得た.さらにこの交点数関数を応用して単位円板からタイヒミュラー空間への正則写像の剛性定理を与えた.
|