研究課題/領域番号 |
21550068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
加藤 明良 成蹊大学, 理工学部, 教授 (00167339)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 4(1H)-ピリジノン / 8-ヒドロキシキノリン / 3-ヒドロキシキノリンチオン / バナジル錯体 / ヒト球性腫瘍細胞U937 / 細胞増殖阻害能 / アポトーシス |
研究概要 |
"プログラム細胞死"とも呼ばれるアポトーシスは、基本的な生命現象に重要な役割を果たすばかりでなく、がんやエイズやアルツハイマー病など多くの疾病の発病に深く関わっている。中でもがんの2発症には細胞増殖の亢進だけでなく、アポトーシスの抑制が重要な役割を果たしている。つまり、がんは「アポトーシスが抑制されているために有害な細胞が除去されない」状態であるといえる。従って、アポトーシスをがん細胞のみに特異的に誘発できるようなリード化合物を見出すことができれば、それは将来的に有力ながん治療薬になり得ると考えられる。本研究の目的は、ヒドロキシアジン系複素環2座配位子およびアルキルスルホンアミド基をもつ8-ヒドロキシキノリン系二座配位子とそれらのバナジル錯体を新規に合成し、それらの中からがん細胞に対してアポトーシス由来の高い殺細胞効果をナノMレベルで示す化合物群を見出し、将来的にがん治療薬の開発に結びつけることである。その結果、12種類のバナジル錯体のうち、3-ヒドロキシ-4(1H)-ピリジノン、8-ヒドロキシキノリン、3-ヒドロキシキノリンチオンのバナジル錯体がヒト組織球性腫瘍細胞U937に対し高い細胞増殖阻害能を示した。また、一連の誘導体の評価から、長鎖のアルキル基をもつ錯体の方が短鎖よりも細胞増殖阻害能が高いことがわかった。さらに、細胞増殖阻害能をIC50値で評価した結果、3-ヒドロキシキノリンチオンのバナジル錯体が4マイクロMと最も高い値を示した。最後に、これら細胞死がアネキシンV及び電気泳動のDNAラダーの検出により、主にアポトーシスに由来することが明らかとなった。
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