研究概要 |
本研究では一次元熱伝導率計測手法を応用した新たな計測手法を提案し,PCBの面内方向有効熱伝導率を計測した.また,実験結果の妥当性を検証するため,配線がPCB の面内方向有効熱伝導率に与える影響を明らかにするために三次元熱流体解析を行った.また,実験結果と解析結果に基づき,支配因子が異なる2 種類の熱抵抗を定義し,PCBの面内方向有効熱伝導率の定式化を提案した.その結果,以下の知見を得た.提案したPCB の面内方向有効熱伝導計測手法を用いて,配線による基板面内方向の熱伝導を計測可能である.配線による基板面内方向の熱伝導は,配線パターンによらず配線面積比のみに依存する. PCB の多層化によって,内部に配置した配線もまた基板面内方向への熱伝導に影響をもたらす.しかし,同時に接触熱抵抗の影響が増大し,厚さ方向の有効熱伝導率は低下する.熱源に直接接する銅の厚さ,配線面積比が,特にPCB の面内方向有効熱伝導率に影響を及ぼす.配線の熱伝導率lwire,ガラスエポキシの熱伝導率lboard,配線面積比z,厚さ方向有効熱伝導率lthicknessを用いて,PCBの面内方向有効熱伝導率を算出できる.
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