研究課題/領域番号 |
21560571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
今井 剛 山口大学, 理工学研究科, 教授 (20263791)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 高濃度溶解気体 / 殺菌 / 発展途上国 |
研究概要 |
本研究では、薬品を用いないため安全・安心であり、低コストで殺菌が行える代替塩素殺菌技術として高濃度気体溶解装置を用いた高濃度気体溶解水による殺菌技術の開発を最終的な目標とする。本研究の目的は、この技術を実用化するにあたり、高濃度気体溶解水を用いた微生物への殺菌効果を把握することである。本研究では溶解させる気体として二酸化炭素を用いた。これは、その溶解度の大きさと無害性を考慮してのことである。また、温室効果ガスである二酸化炭素に付加価値を与えられれば、その有効利用が可能となり二酸化炭素排出抑制に効果があると考えられるためである。 研究室においてクリプトスポリディウム原虫を直接扱うことは大変危険であるため、その代替として同様に塩素耐性を持つ枯草菌を対象に殺菌実験を実施した。またウィルスについても感染性の危険性のない大腸菌ファージT4(このウィルスも塩素耐性を持つとされる)を対象として殺菌実験を実施した。さらに、発展途上国への本法の適用可能性の評価を目的に、タイの首都バンコクにおける種々の環境水(河川水、運河水)、消毒前下水処理水を対象とした実証試験を行った。 実験結果から、枯草菌は大腸菌と比較すると消毒に時間をやや要するものの、高濃度二酸化炭素溶解水による殺菌が可能であることが明らかとなった。また、大腸菌ファージT4については、大腸菌より短時間で殺菌が可能であることが明らかとなった。以上の結果から本法により微生物のサイズによらず、しかも塩素耐性を持つものの殺菌が可能であることが明らかとなった。さらにバンコクにおける実証実験、すなわち種々の環境水及び消毒前下水処理水を用いた実験結果から、糞便性大腸菌が十分に殺菌できることが示され、本法の実効性が明らかになったと考えられる。
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