研究課題
基盤研究(C)
S-S結合を欠損させて天然の立体構造を失わせたリゾチーム分子に残留する部分秩序構造をNMR分光法と重水素交換法を組み合わせて研究した結果、リゾチームに存在するA、B、Cへリックスが作るαドメインの疎水性ポケットにβシートの底部にある残基I55、L56が固定された構造が、このタンパク質の折りたたみ反応開始部位であることを解明することができた。一方、ピロリドンカルボキシルペプチダーゼ(PCP)の天然立体構造の揺らぎを調べる実験からは、208残基から成るこのタンパク質の残基70番近傍で起きる構造変化がこのタンパク質を2つの大きな構造ドメインに分割しようとするが、その揺らぎのモードが立体構造を完全な無秩序鎖状態にほどいてしまうことを突き止めた。
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