研究課題/領域番号 |
21590221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
亀田 芙子 北里大学, 医学部, 名誉教授 (10032898)
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研究分担者 |
三浦 正明 北里大学, 医学部, 講師 (60276053)
新井 雄太 北里大学, 医学部, 講師 (60329026)
武田 啓 北里大学, 医学部, 講師 (20197297)
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連携研究者 |
斎藤 昂良 北里大学, 大学院・理学研究科, 大学院生
秋本 峰克 北里大学, 大学院・医療系研究科, 大学院生
根本 典子 北里大学, 医学部, 技術員
加藤 時雄 北里大学, 医学部, 技術員
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Hes1-/-マウス / Wnt1-Cre/R26R double transgenicマウス / 神経管形成不全 / 中脳ドーパミンニューロン / isthmic organizer / 神経堤細胞 / 交感神経上頚神経節 / 頚動脈小体 / 第3鰓弓動脈 / Mash1 / 総頚動脈 / 形成不全 / Wnt1Cre/R26Rマウス / Hes-/-マウス / 細胞分化 / tyrosine hydroxylase / Pitx3 / セロトニン / Hes- / -マウス / 頭蓋冠 / 間脳 / 下垂体隆起部 / 甲状腺C細胞 / 鰓後体 |
研究概要 |
Notch-Hesシグナルは多くの組織で細胞分化を抑制し幹細胞を維持している。神経系でHes1はproneural geneであるMash1やNgn2の発現を抑制し、神経前駆細胞を維持する。Hes1ノックアウト(-/-)マウスでは神経細胞の分化が早期に起こり、神経管は形成されず脱脳症など脳の形態形成異常が生じる。今回の研究でHes1が神経組織の他に多く組織で細胞分化を制御し、その発生に関与することを明示した。(1) Hes1-/-マウスにおける下垂体隆起部の発生を野生型マウスと比較して調べた。野生型マウスと同様にHes1-/-マウスにおいて胎生(E) 11.5に隆起部原基は形成されたが、その後成長できずE14.5で退化・消失した。(2)中脳ドーパミン(mesDA)ニューロンの発生を調べると、Hes1-/-マウスでmesDAニューロンは正常に形成されたが、E13.5日から減少し、その走行と分布は野生型のそれらから大きく逸脱していた。さらに多数のmesDAニューロンが後脳に侵入し、また野生型では後脳のみに局在するセロトニン(5-HT)ニューロンが中脳にも局在するなど、ニューロンの異所性発現が観察された。このように峡に発現するHes1がisthmic organizerとしてmesDAニューロンや5-HTニューロンの局在と分布を制御することを示した。(3)交感神経上頚神経節(SCG)および頚動脈小体の発生を調べると、Hes1-/-マウスではE12.5で既にSCGの萎縮が生じた。また長期間未分化の状態にとどまり細長い形状を示し、さらに胎齢と共にSCGの体積および細胞数は著しく減少した。E17.5で体積は野生型SCGの26.3%の大きさしかなく、細胞総数は24.5%しかなかった。Hes1-/-マウス30例中4例(13.3%)において第3鰓弓動脈由来の総頚動脈が欠損しており、頚動脈小体は形成されなかった。総頚動脈が存在する胎仔では頚動脈小体の形成時期は野生型と同様であったが、その体積はE17.5で野生型の52.5%の大きさしかなかった。(5)神経堤細胞を生涯に亘って特異的にラベルできるWnt1-Cre/R26Rトランスジェニック・マウスを解析し、交感神経節のみならず、頚動脈小体は神経性神経堤細胞由来であることを明示した。またこのマウスをHes1マウスと交配しHes1-/-マウスの神経堤細胞をラベルした。Hes1遺伝子の欠損により鰓弓に分布する間葉性神経堤細胞数が減少し、咽頭内胚葉由来内分泌器官(胸腺、上皮小体、鰓後体および甲状腺)の発生が著しく阻害されることを見出した。
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