研究課題/領域番号 |
21590288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
木村 純子 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10186322)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心臓 / 線維芽細胞 / 低酸素 / TRPM2 / N^a+/Ca^<2+>交換輸送体 / 過酸化水素 / 細胞内Ca^<2+> / ラット / ADPリボース / Na^+/Ca^<2+>交換輸送体 / クロトリマゾール / siRNA / H_2O_2 / Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / 骨格筋 / KB-R7943 / SEA0400 / Ca^<2+>交換輸送体阻害薬 / 遊走 / 創傷治癒 |
研究概要 |
ラットの心臓から初代培養した線維芽細胞を用い、線維芽細胞に発現するNa^+/Ca^<2+>交換輸送体(NCX)および非選択性陽イオンチャネルであるtransient receptor potentialmelastatin(TRPM2)チャネルのmRNA発現量に対する低酸素の影響を調べた。線維芽細胞の培養皿をアネロパックを用いて24時間、37℃のインキュベーター内で低酸素に暴露した後、mRNAを回収した。またこの時の線維芽細胞をホールセルクランプして膜電流を測定した。すると、低酸素暴露細胞ではコントロール細胞に比べて、膜電流が有意に増大していた。この電流は、-20mV付近で逆転すること、トリクロマゾールで抑制されること、などから、TRPM2の可能性が示唆された。そこで、TRPM2のmRNAをRT-PCR法で調べたところ、低酸素に暴露した線維芽細胞で、TRPM2の発現量が有意に亢進していた。TRPM2のsiRNAを作用させた細胞を低酸素暴露すると、TRPM2のmRNA発現量の増加は顕著に抑制された。TRPM2を活性化させるADPリボースを電極内液に含めてホールセルクランプすると、低酸素暴露細胞の電流はADPリボースなしの細胞に比べて有意に増大した。またfura-2を用いて細胞内Ca^<2+>濃度を測定したところ、低酸素細胞のCa^<2+>濃度はコントロールより有意に高かった。TRPM2を活性化させるH_2O_2を細胞外に還流すると、細胞内Ca^<2+>濃度は、低酸素細胞で有意に高くなった。以上から心臓の線維芽細胞は低酸素に暴露されると、TRPM2チャネルが発現し、細胞内Ca^<2+>濃度を高めることが分かった。また、低酸素暴露した線維芽細胞では、NCXの発現量は低下していた。これらの低酸素暴露の作用は線維芽細胞の機能を活性化し、心臓の線維化促進に関与する可能性がある。
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