研究課題/領域番号 |
21590379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 光利 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305715)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | glioblastoma / glioma / chemotherapy / senescence / temozolomide / temozolomide temozolomide |
研究概要 |
組織多様性を示す神経膠腫の各組織型におけるO^6-methylguanine-methyltransferase (O^6-MGMT)をはじめとする治療反応性因子を検索し、temozolomide (TMZ)の治療効果を増強する投与法を検討した。TMZおよび放射線治療の標準治療が計画された初発悪性神経膠腫78症例に関してO^6-MGMTのメチル化および1p/19qのloss of heterozygosity (LOH)の有無に応じて、TMZの標準治療のみあるいはInterferon-β (INF-β)やprocarbazine (PCZ)の併用療法を施行した。再発時に手術された25例に関しても同様の遺伝子解析とともに、β-galactosidaseをはじめsenescenceのマーカーを検索した。Pseudopalisadingの部分やoligodendroglial componentでO^6-MGMTのメチル化および1p/19qのLOHがみられた19例では、TMZの標準治療のみで無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)ともに有意に延長し、奏効率も良好であったが、INF-βを併用した2例とPCZ併用の1例ではPFS、OSともに不良であった。再発手術症例におけるO^6-MGMTのメチル化や1p/19qのLOHの状態は初発時と変化がなかったが、senescenceのマーカーの発現が増加している症例ではTMZの継続により、PFSやOSの有意の延長がみられた。初発および再発悪性神経膠腫に対するTMZの効果を高めるためにはsenescenceに関わる因子も含めた複数の因子の検索が必須であり、TMZ反応性・不応性症例ともにO^6-MGMTの枯渇化やsenescenceの誘導などTMZの作用を増強する必要性が示された。
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