研究課題
基盤研究(C)
欧米や本邦の女性に罹患率の高い乳癌の終末像には、溶骨性の骨転移巣が、腫瘍細胞、破骨細胞および骨芽細胞の相互作用により形成される。この腫瘍と間質の相互作用のメカニズムを解析するため、我々は、マウス乳がん細胞を同系マウスの頭蓋骨直上に移植することで、骨微小環境における腫瘍細胞と破骨・骨芽細胞の相互作用をin vivoで観察できるin vivo乳がん骨微小環境モデルを作製した。そこで、骨微小環境における乳がん細胞の増殖する領域と、乳がん細胞のみが増殖する領域をmicroarrayで比較したところ、RANKLおよびCathepsin Gの発現が上昇していた。RANKLとRANKの結合は、破骨細胞の分化・誘導を促進し、溶骨性変化を起こすシグナルである。RANKLの治療標的分子としての有用性を検討する目的で、ヒトsRANKL抗体(OCIF)を腫瘍細胞の移植前に投与した群(前投与)、移植後に投与した群(後投与)および移植の前後に投与した群(全投与)と比較検討した。その結果、骨微小環境における細胞増殖率は、全投与、後投与と同様に前投与群でも有意に抑制されていた。また骨微小環境に誘導された破骨細胞の数および骨破壊の程度も、前投与、後投与、全投与のいずれの群でも有意に抑制されていた。さらにDenosumabの予防的効果は濃度依存性であった。以上の結果から、骨微小環境における乳癌の増殖に対して、sRANKLは治療標的分子として有用であることが明らかとなった。
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