研究課題
基盤研究(C)
本研究計画は昭和大学ヒトゲノム・遺伝子解析倫理審査委員会で承認を得た(申請番号126号)。2009年より冠動脈疾患の治療で入院または通院中の患者より同意を取得後、血液採取、DNA抽出し、以下に記す方法で、複製連鎖反応(polymerase chain reaction; PCR)を用いて、標的DNAを増幅し、制限酵素AluIを用いて処理した後、1塩基置換(Mt5178C/A)を測定した。Forward primer 5' -CTTAGCATACTCCTCAATTACCC-3'、Reverse primer 5'-CTGAATTCTTCGATTAATGGCCCA-3'。各症例の、診療情報(治療歴、入院回数、臨床転帰、心リハ参加の有無、虚血性心疾患の家族歴の有無)、糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙習慣など危険因子の有無とその管理状況を、データベースとして保管する作業を現在まで行っている。合計798人(男656、女142)の検体測定が終了した。Mt5178C/Aの頻度はC 436例(男355、女81)、A 362例(男301、女61)で、性差、年齢差はみられなかった。また、一般人での報告と同様であった。男性55歳未満、女性65歳未満で冠動脈疾患を発症した症例を早発群105例、現在80歳以上を高齢群189例、他を通常群504例に分類して検討したが、Mt5178C/Aの頻度は同等で、早発群ではむしろAが多かった。過去の他の報告とは異なり、冠動脈疾患でのMt5178C/Aの頻度は年齢を問わず、一般人と同様であった。臨床データとの関連については現在解析中である。
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