研究課題/領域番号 |
21590847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
清水 一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10178965)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2009年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 胆管細胞癌 / ジフェニレンヨードニウム / 低酸素 / 活性酸素 / HAD(P)Hオキシダーセ / 制癌感受性 / 酸化ストレス |
研究概要 |
【目的】ジフェニレンヨードニウム(DPI)は、活性酸素の最大産生源であるNAD(P)Hオキシダーゼ発現の特異的阻害剤で、肝細胞の保護作用と線維産生担当細胞である肝星細胞の活性化を阻止して肝線維化を抑制する。本化合物は肝癌細胞に対するin vivoとin vitroの実験で制癌作用を発揮するだけでなく、ヒトがんパネル実験で大腸癌、胃癌、肺癌、メラノーマにも制癌作用を発揮する新規抗癌剤である可能性があり2007年8月国内特許出願した(特願2007-226635)。本研究では、抗癌治療に強い抵抗性を示す予後不良の胆管細胞癌に対して、低酸素誘導機序阻害を標的として本化合物の制癌効果と安全性を明らかにし、臨床応用への道を切り開く。 【方法】DPI修飾化合物誘導体を無酸素環境下と常酸素環境下において胆管細胞癌細胞株に添加して、細胞増殖抑制効果(制癌感受性)をhuman tumor clonogenic assayを用いて測定し、早期アポトーシス増強効果を蛍光顕微鏡を用いて検討した。同時に、ラット正常肝細胞に対する合成DPI誘導体の細胞障害性をMTTアッセイで測定した。これらの検討の中から胆管細胞癌に最も制癌作用を発揮し、最も正常肝細胞の障害性を示さない誘導化合物を選び出した。 【成績】DPI修飾化合物誘導体の中で、構造中心にヨードを持つ2-nitrobenziodolium(NBD)や3,7-dinitrodibenziodolium(DBD)が常酸素環境下よりも無酸素環境下でより強く、胆管細胞癌細胞株(HuH28)に対して制癌感受性を示し、早期アポトーシス増強効果を示した。一方で正常肝細胞に対する合成DPI誘導体の細胞障害性は弱かった。 【結語】DPI修飾化合物誘導体の中でも構造中心にヨードを持つ化合物に、胆管細胞癌に対して有効な制癌効果が期待できる可能性が示唆された。しかも、常酸素環境下よりも無酸素環境下でより強く発揮する可能性があり、その他の多くの癌に対しても有効である可能性も示唆された。
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