研究課題/領域番号 |
21590931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井川 修 鳥取大学, 医学部, 准教授 (80252857)
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研究分担者 |
久留 一郎 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60211504)
足立 正光 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (90343277)
加藤 克 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (40467709)
三明 淳一朗 鳥取大学, 医学部, 助教 (40372677)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | LQT2 / HERG / 分子シャペロン / Hsp70 / Hsc70 / CHIP |
研究概要 |
熱ショック蛋白70(Hsp70及びHsc70)はコシャペロンならびにCHIPと相互作用して蛋白質の成熟を助けるのみならず、未熟フォームを分解へと導く。我々は電位依存性K+チャネル(Kv1.5)の成熟過程にHsp70が重要であることを発見した(BBRC2008)。LQT2は電位依存性KチャネルHERGチャネル遺伝子変異が原因で心電図でのQT延長を特徴とし心室細動による失神や心臓突然死を起こす疾患である。変異HERG蛋白の多くはその不安定性のためユビキチンープロテアゾームシステムにより分解される。HERGの分解調節機構の解明はLQT2の病態解明と新しい診断・治療法の開発に重要であるが、Hsp70の関与が示唆されている。そこで本研究では平成21年度に野生型ならびに変異型HERGの分解調節におけるHsp70とHsc70の役割を検討した。Hsp70は野生型HERGの未熟HERGに結合し、ユビキチン化HERGを減少させることでHERGチャネルを安定化し、小胞体・ゴルジ体のHERGを増加させ、成熟HERGを増加させ、チャネル活性を増加した。一方で、Hsc70はHsp70のHERG安定化作用に拮抗した。このHsc70の拮抗作用は未熟型HERGのHsp70結合部位に競合的に結合することで、Hsp70のHERGへの結合を減弱させ、HERGの安定性を減少させる。このHERGへのHsp70とHsc70の競合的作用は生理的には熱ショックに対しての活動電位の変化を説明できる。Hsc70はbasalでERGに優位に結合しているが、熱ショックが加わるとHsp70が優位にHERGに結合することでHERGが安定化することで、Ikrが活性化し活動電位持続時間が短縮する。Hsc70のノックダウンにより熱ショックの活動電位持続時間短縮に拮抗したことからも上記の仮説を確認できた。
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