研究課題
基盤研究(C)
Dhh発現プラスミドの局所投与による末梢神経障害治療実験を行った。ラット坐骨神経に圧迫損傷を加え、損傷部位にDhh発現プラスミドを局所注入することにより、末梢神経の再生促進効果が得られることを確認しつつある。1) DHH発現vectorの設計:梅原藤雄、橋口照人DHH cDNA全長を組み込んだプラスミドを作成した。プラスミドはKusanoらの方法に準じて、pCMV-Script PCR mammalian expression vector(Stratagene)を用いた。ベクターは3種類作成し、DHHのみに加え、DHH-His,DHH-myc,を標識したもの、および陰性コントロールとしてDHHcDNAを組み込まないものを作成した。2) 細胞導入によるDHH蛋白発現実験:梅原藤雄、橋口照人先に作成したベクターまずCOS細胞にtransfectionし、培養した。培養細胞のcell lysateを用い、western blotを行い、DHH蛋白の発現を確認した。次にこの培養細胞液上清中におけるDHH蛋白の発現を確認した。これらは、さらに抗His抗体または抗Myc抗体でも標識されることを確認した。一方、陰性コントロールは陰性であった。以上の結果から、このベクターのtransfectionにより、DHH蛋白の細胞内産生及び細胞外分泌が行われていることが確認された。3) 実験的末梢神経損傷モデルへのDHH発現Vectorの注入:梅原藤雄ラット坐骨神経へ圧迫損傷を加えて神経損傷モデルを作成する。損傷部位に、DHH(+)Vectorを局所注入し、以後経時的に病理学的検討(梅原藤雄)、神経生理学的検討を行った。
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J Neurological Sciences 288
ページ: 54-62