研究課題/領域番号 |
21591192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川島 敏行 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10306839)
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研究分担者 |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 癌化 / 転写因子 / 細胞増殖 / 生体分子 / シグナル伝達 |
研究概要 |
われわれは最近、v-Srcによりトランスフォーム(癌化)したNIH3T3細胞においてMgcRacGAPの387番目のセリン残基が著名にリン酸化されていることを発見した。興味深いことにIL-6等のサイトカインによる刺激ではこのS387のリン酸化は誘導されなかった。そこでv-Srcにより癌化したNIH3T3細胞においてMgcRacGAPのS387のリン酸化がいかなる意義をもつのかを明らかにした。 S387をアラニンに置換したS387A変異体やアスパラギン酸に置換したS387D変異体を用い、過剰発現の系によりMgcRacGAPのS387のリン酸化がトランスフォームに寄与するのか否か検討した。そしてS387のリン酸化は細胞のトランスフォームを促進することが判明した。v-Srcによる細胞のトランスフォームにSTAT3とRac1が必須であることが知られている(Yu et al. Science, 1995 : Turkson et al. Mol. Cell. Biol., 1998 : Bromberg et al. Mol. Cell. Biol., 1998 : Servitja et al. J. Biol. Chem., 2003)ことから、まずこれらの分子とS387がリン酸化しているMgcRacGAPとの相互作用を検討した。実験結果ではIL-6/JAK/STAT3の場合と異なりv-Srcにより活性化したSTAT3にはS387がリン酸化したMgcRacGAPが相互作用していた。STAT3が正常に機能するときと癌化に関与する場合があるが、この差にリン酸化したMgcRacGAPの相互作用が関与する可能性も示唆された。またリン酸化したMgcRacGAPはRac1に対するGAP活性が消失することで、Rac1を活性化状態に保つことも癌化を促進する一因と考えられた。 これらの結果は論文発表した。
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