配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
血小板は正常止血のみならず,病的血栓症にも関連する.血小板の機能は複雑なシグナル伝達系により制御され,これは,抗血小板薬の標的となっている.従って,血小板シグナル伝達系の研究は臨床医学上も重要である.低分子量Gタンパクの一つracは血小板の機能制御に深く関与する.RacはGTP型が活性型でGDP型が非活性化型である.Racを活性化型に変換するのが,rac-GDP-GTP交換因子(rac-GEF)である.ところが,血小板のrac-GEFに関しては,極めて知見に乏しい.報告者は特異抗体を用いて,rac-GEFであるDOCK180も血小板に存在することを発見した.さらにDOCK180と相同性の高い,DOCK5に関しても検討を加えて,ヒトDOCK5の二つのアイソフォームのうち,Hela細胞に存在するタイプが血小板に存在し,A549細胞に存在するタイプではないこと,さらに,伸展血小板では細胞質内全体に点状にこれが局在することを発見した.DOCK5に関しても,COS7細胞などへの強制発現実験などを通じて,これがrac-GEFであり,かつcrkやELMO1などと結合することなどを確認した.血小板タンパクのほとんどは巨核球由来である.従って,本研究は全く手つかずであった,血小板のDOCK180ファミリーに関してのさらなる研究の基礎作りに寄与するものと思われる.
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