研究課題
基盤研究(C)
神経芽腫は、小児がん死亡の約1/6を占める代表的な難治性小児固形がんである。特に、半数以上が再発を経験する高リスク神経芽腫患者は、長期生存率が未だ40%に達しておらず、その予後改善には、新たな予後因子の同定が必要である。最近、多くのがんで選択的スプライシングの異常が検出され、がんの診断や予後予測のバイオマーカーとして注目されている。申請者らは、細胞内小胞輸送が、神経芽腫の発症・進展に必須の役割を果たすと考え、細胞内小胞輸送の中心的な制御因子であるRabファミリー低分子量G蛋白質(Rab)に注目している。本研究では、脳特異的なRabとして単離されたRab15遺伝子が、選択的スプライシングによって少なくとも4つのアイソフォームを生成することを明らかにし、Rab15アイソフォーム・バランスが、神経芽腫におけるがん幹細胞と非がん幹細胞を鑑別するバイオマーカーとなり得る可能性を示した。
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