研究課題
基盤研究(C)
小児劇症肝不全に対して肝移植を行った症例の摘出肝組織を用いて、サイトカインの発現、免疫担当細胞、タンパク発現について検討した。サイトカインアレイ(RayBio)を用いた検討では、劇症肝不全で発現の高い5種類のサイトカインを同定した。最も発現の高かったサイトカインAは、類洞内皮細胞に発現しており、そのreceptorの発現は肝細胞、小葉内胆管に認められた。摘出肝における免疫担当細胞は、cCD3+, CD8+, granzymeB+のT-cellが主体で、小葉内(類洞)への浸潤が特徴的であった。SELDIプロテインチップによる解析では、CM10チップで、劇症肝不全で低くなる分子が3つ、高くなる分子が3つ検出され、Q10チップでは、劇症肝不全で低くなる分子、高くなる分子が1つずつ検出された。これらの分子の同定により、より劇症肝不全の病態の理解が進むものと考えられる。
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