配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究概要 |
本研究はNLRP3疾患関連変異体を導入した肥満細胞を移入した家族性寒冷蕁麻疹モデルマウスで確認される好中球性炎症の惹起と血管透過性亢進の機構を明らかにするとともに、同様の知見が抗ヒスタミン薬治療抵抗性の慢性蕁麻疹患者において確認されるかを検証することを目的とした。ヒトの自己炎症性疾患患者で認められるNLRP3疾患関連変異体と同一の部位に遺伝子変異を導入したマウスNLRP3変異体を発現する肥満細胞をIL-17欠損マウスへ移入した際には,好中球遊走や血管透過性が確認されないことから,この反応にはIL-17が関与すると示唆された。 しかし,NLRP3疾患関連変異体の発現に伴い細胞死が誘導されるため,細胞は徐々にIL-1βの産生能を失い,実験の再現性が乏しかった。この問題を克服するため,テトラサイクリン添加によりNLRP3遺伝子の発現が誘導される細胞を樹立し検討を行ったが,好中球遊走や血管透過性を引き起こしているものが,IL-1βに依存するのか,細胞死によるものであるのかを評価する必要があると感じた。これに対しては,前駆体IL-1βを恒常発現する細胞を更に樹立し,NLRP3疾患関連変異体の遺伝子誘導に伴い,IL-1βの活性化を認める細胞と細胞死のみを認める細胞とに分けて,検証を継続する予定である。 一方,皮膚生検組織を用いて,前駆体および活性型IL-1βに対する抗体を用いて免疫染色を行い,真皮の肥満細胞とともに真皮毛細血管周囲にIL-1βが染色されることを確認した。これらが好中球遊走を伴った疾患特異的な現象であるのかを,現在さらに解析中である。
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