研究課題
基盤研究(C)
放射線により誘発される肺の傷害に対するTGF-βを標的とする予防あるいは治療の長期的な有効性と安全性を明らかにするためにマウス実験モデルを用いて検討を行った。生体内でその生理作用を抑制することが可能なTGF-βに対する抗体を用いて、放射線照射前あるいは照射後にTGF-βの作用を抑制することにより、放射線照射によって生じる、あるいは既に生じた肺傷害を予防、あるいは改善することが可能か否かを、組織化学的な解析を主体に検討した結果、それらが十分に可能であることが示唆された。しかしながら、その効果が一過性のものか否かの問題や、発癌性を含めた重大な副作用の評価には、更なる検討と長期の観察が必要と考えられた。