配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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研究概要 |
圧-流速曲線から求められるwave intensityは血管の性状だけではなく,壁面にかかる圧によっても変化することが報告されている.この脈波解析により,ステントグラフト内挿術後の瘤内圧変化が実証できる可能性はきわめて高い.本研究では, endoleakをwave intensityにより診断可能であることを用いて明らかにする.モックでの瘤,ブタの大動脈に瘤を作成,臨床例でのwave intensityを計測した.超音波によるwave intensity測定装置(prosoundα7, ALOKA, Tokyo)を使用した.モック,ブタではステントグラフト内挿前後, endoleak作成時について,臨床例ではステントグラフト内挿前後のみを測定した.すべての実験群で、i波, ii波は有意な変化は認められなかった.モックでは,ステントグラフト内挿術を施行することにより,反射波は正常に復した. Endoleak別では, Type1が反射波に大きく変化が認められた.しかし,変化のばらつきが大きく,明らかな傾向を見出すことはできなかった.ブタでは, 3群間に有意な差はなかった.反射波は瘤作成後に極性が5例で変化したが, 3例では変化しなかった.臨床例では,反射波はステントグラフトによる治療後に極性が3例で変化したが, 2例では変化しなかった.今回の研究では,血管径の拡張により反射波の極性が変化する現象が,実証系モデルでも明らかとなった.動脈瘤の診断のみならずendoleakも早期診断しうる可能性が示唆された.臨床例でも同様の傾向がみられた.また、問題点としてデータ採取の困難さがあげられた.測定装置の改良により正確なデータ採取が可能になることが期待される.
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