配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究概要 |
悪性腫瘍のリンパ節転移は予後を規定する重要な因子である.しかしそのメカニズムは十分に解明されていない.この研究ではリンパ節転移における生体の免疫系の役割を明らかにするため,我々の研究で現在までに得られたデータから発想されたリンパ節転移に関するコンセプト:「通常,リンパ管内に放出された腫瘍細胞はリンパ節内の樹状細胞(以下DC),Natural Killer細胞,細胞傷害性T細胞などの免疫担当細胞によって消去される.しかし腫瘍細胞がTGFβ-1などの液性免疫制因子を放出することにより,免疫担当細胞のapotosisを誘導したり,増殖抑制を起こしたりして免疫抑制状態にしている.そのため通常では消去される腫瘍細胞がリンパ節に定着してリンパ節転移が起きる.またリンパ節転移を起こしやすい腫瘍は液性免疫制性因子をリンパ節転移を起こさない腫と比較してより多く産生している.」を遺伝子工学的手法を用いて直接的に証明することを目的とし研究を開始した.TGFβ-1(以下TGFB1)遺伝子導入腫瘍細胞を用いた研究:野生型SCCVIIはTGFB1を産生していないマウス扁平上皮癌細胞株である.また今までの実験でリンパ節転移や他臓器転移を起こさないことを確認している.そこで,野生型SCCVIIにTGFB1遺伝子と緑色蛍光蛋白(GFP)遺伝子を導入してTGFB1&GFP産生SCCVII(以下TGFB1+GFP-SCCVII)を作成した.以上の腫瘍細胞株をマウス(C3H)耳介に接種し,Mockや野生型SCCVIIと比較し所属リンパ節でDCやBリンパ球の減少等の免疫抑制が惹起されていること,さらにリンパ節転移をきたすことを確認した.
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