研究概要 |
胆管癌の胆管切離断端に遺残した上皮内癌と浸潤癌におけるDNA損傷部の53BP1を介した修復機構の研究を行った。胆管断端のみが独立した局所再発危険因子であった。累積5年局所再発率は陰性群10%,上皮内癌群40%,浸潤癌群100%であった。上皮内癌では53BP1核内発現びまん性集積が10例,ドット状集積が4例であり,アポトーシス標識率はびまん性集積が中央値1%に対しドット状集積では22%と有意に高かった。上皮内癌では,びまん性集積していた10例の累積10年局所再発率は100%であり,ドット状集積していた4例の0%と比較して有意に局所再発発生率が高かった。胆管切離断端に遺残した上皮内癌の局所再発(浸潤癌への進展)は, DNA損傷修復仲介因子53BP1の不活化およびアポトーシス減少と関連がある。
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