研究概要 |
脳ドックで発見される頻度の高くなっている未破裂脳動脈瘤に対し、予防的治療に伴うリスクおよび脳動脈瘤の自然経過のリスクの正確な評価は重要である。これを形態的情報だけでなく、可視化するために従来造影剤を用いた三次元造影画像を元にした脳動脈瘤血流解析(Computational Fluid Dynamics, CFD)が大型コンピュータを用いてシミュレーションされてきた。これを簡便化して普及をはかるために今回3. 0T MRIを用いたin vivo血流解析(Magnetic Resonance Fluid Dynamics, MRFD)と従来のCFDによる血流解析を実際の脳動脈瘤症例を用いて解析し、従来法と比較検討した。 瘤内血流パターンはround type(type R), vortex type(type V), separate type(typeS), disorder type(type D)の4種類に分類した上、量解析法における血流方向、剪断応力(wall shear stress, WSS)を比較した。動脈瘤イメージを8x8のボクセルに分割し、両解析結果を比較検討した。 WSSの分布は両解析方法ともによく相関し、統計上有意に相関関係があることを認めた。(p<0. 005) MRを用いた血流解析は従来の血流解析方法と同様な脳動脈瘤血流パターンおよびWSS分布をえることが可能であり、より簡便に情報が得られることから臨床に用いることが可能である。より研究を進めることで未破裂脳動脈瘤破裂予想の新たな知見が得られることが期待される。
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